映画「沈まぬ太陽」を観た。最近では珍しく休憩を挟んでの上映で、少し長く感じるが、それでもお勧めの映画だ。
主演・渡辺謙が何ともいえない、いい味を出していた。
NHKの大河ドラマ「独眼竜政宗」でブレークし、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたくらいから、人間の味が出てきているような気がする。
人間の味とは、喜怒哀楽という四文字熟語だけでは表せない、でも誰でもある日常の中の心を照らしたようなものか。
振り返れば、渡辺謙の出演作品は不思議と観ていた。
映画初主演となった「明日の記憶」では、若年性アルツハイマーを好演していた。
ただ、この映画は女房役の樋口可南子の熱演が素晴らしく、アルツハイマーを夫に持つ妻の苦悩が何ともいえなかった。
最近では「硫黄島からの手紙」で、世間的には二宮和也に話題をさらわれてしまったが、米国の巨大戦力を知りつつも大和魂を貫く栗林中将の存在が何ともいえなかった。
何ともいえないばかりで、話が逸れてしまったが「沈まぬ太陽」は、渡辺謙だけでなく、ストーリーがおもしろい。
モデルは誰が見ても日本航空。大筋は経営側が組合分裂工作、不当配転、昇格差別、社内イジメなど、あらゆる手を使って主人公の労組委員長や組合幹部を陥れていくというもの。
これを観ていると、いくら巨大企業とはいえ、当時は組合が多すぎるのと違う?
四つも五つも組合があって、それが集約されたとしても、労使交渉がうまく行くとは考えられへん。労働者の権利を守るのは大事だが、組合が強すぎても困る。会社が倒れたら、みな沈没や。
再建中の日本航空と照らし合わせて話題になっているが、最もみっともなかったのは、日航の反応や。
社内報で「企業として信頼を損なうばかりか、お客様離れを誘発しかねない」と批判しているらしい。
信頼されるような経営をしてこなかったから、本の題材になり映画化されたんやろ。アホ!
なに言うてんねん。
ホンマ、自分たちのことがちっとも分かってないわ。
御巣鷹山のジャンボ機墜落事故を始め、謙虚に受け止める姿勢など、これっぽちもない。これじゃ再建などできるわけないわ。
しかも、御巣鷹山の事故については「作り話を加えて映像化し、商業的利益を得ようとする行為は遺族への配慮に欠ける」と非難し、法的措置も検討しているらしい。アホはどこまで行ってもアホや。
「遺族への配慮に欠ける」というコメントを社内報に載せることこそ、遺族への配慮に欠けるやろ。
反省の色も見せず、ただ映画を批判する日航の厚顔無恥さ。
一つ分かったのは、映画で描かれている傲慢な経営体質は、今も変わっていないということや。
















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